「自分を知る」 はやし浩司先生の育児・教育指導
教育のすばらしい点は、教育をしながら、つまり子どもを通して、自分を知るところにある。
たとえば私はときどき、自分の幼児期をそのまま思い出させるような子どもに出会うときがある。「ああ、私が子どものころは、ああだったのだろうな」と。
そういう子どもを手がかりに、自分の過去を知ることがある。
私は子どものころ、毎日、真っ暗になるまで近くの寺の境内で遊んでいた(=帰宅拒否?)。
私はよく大泣きして、そのあとよくしゃっくりをしていた(=かんしゃく発作?)。
私は今でも靴が汚れていたりすると、ふと女房に命令して、それを拭かせようとする(=過保護?)。
ひとりで山荘に泊まったりすると、ときどきこわくて眠れないときがある(=分離不安?)、と。
私のいやな面としては、だれかに裏切られそうになると、先にこちらからその人から遠ざけてしまうことがある。
小学五年生のときだが、自分の好意の寄せていた女の子のノートに落書きをして、その女の子を泣かせてしまったことがある。
その女の子にフラれる前に、私のほうが先手を打ったことになる。
あるいは学生時代、旅行というと、家から離れて、とにかく遠くへ行きたかったのを覚えている。……などなど。
理由はともかくも、私は結構心のゆがんだ子どもだったようだ。
そんなことが子どもを教えながらわかる。
が、ここで話したいことは、このことではない。
自分であって自分である部分はともかくも、問題は自分であって自分でない部分だ。
ほとんどの人は、その自分であって自分でない部分に気がつくことがないまま、それに振り回される。
よい例が育児放棄であり、虐待だ。
このタイプの親たちは、なぜそういうことをするかということに迷いを抱きながらも、もっと大きな「裏の力」に操られてしまう。あるいは心のどこかで「してはいけない」と思いつつ、それにブレーキをかけることができない。
「自分であって自分でない部分」のことを、「心のゆがみ」というが、そのゆがみに動かされてしまう。
ひがむ、いじける、ひねくれる、すねる、すさむ、つっぱる、ふてくされる、こもる、ぐずるなど。
自分の中にこうしたゆがみを感じたら、それは自分であって自分でない部分とみてよい。それに気づくことが、自分を知る第一歩である。
まずいのは、そういう自分に気づくことなく、いつまでも自分でない自分に振り回されることである。
そしていつも同じ失敗を繰り返すことである。そのためにも、一度、自分の中を、冷静に旅してみるとよい。あなたも本当の「自分自身」に出会うことができるかもしれない。
●依存性の二つの側面 | ●親は子で目立つ |
●赤ちゃん言葉 | ●臥薪嘗胆(がしんしょうたん) |
●依存心と人格 | ●親は外に大きく |
●心の風邪……いかにして「無」になるか | ●互いに別世界 |
●自分を知る | ●バカなフリをして、子どもを自立させる |
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。