「ユニバーサルスタジオ」 はやし浩司先生の育児・教育指導
大阪にユニバーサルスタジオという、巨大な遊園地がある。
映画ごとにパビリオンに分かれていて、それぞれが趣向をこらして観客をひきつけている。「ジョーズ」あり、「E.T.」あり、「ターミネーター」あり。正直に告白するが、おもしろかった。が、心のどこかで何かしらの疑問を感じなかったわけではない。
その1つ。
私はたまたま愛知万博の名古屋市パビリオンの懇談会のメンバーをしている。
パビリオンの理念を話しあう会である。そういう立場上、何としても愛知万博を成功させたい……という思いはもっている。
しかしあのユニバーサルスタジオを見たとき、その考えは吹っ飛んでしまった。
つまり「いまどき、万博なんて……?」という思いにかられてしまった。
仮に成功させるとしたら、少なくともユニバーサルスタジオ級でないと、観客は満足しないだろう。
となると、そのためにどういう方向性を出したらいいのか。
園内を回りながら、何度もそれを考えたが、回れば回るほど、絶望的にならざるをえなかった。
つぎに、日本の大都市のど真ん中に、こうまでアメリカナイズされた娯楽施設があってよいものかという疑問。私は国粋主義者ではない。ないが、しかしここまで「外国」が堂々と日本の中に入っているのを見ると、「これでいいのかなあ」と思ってしまう。
当然のことながら、ユニバーサルスタジオで見るかぎり、日本人は身も心も、そして魂までもが、完全に抜かれてしまっている。
アメリカ映画を見て、アメリカ風の食べ物を食べ、これまたアメリカ風のみやげを買う。
けばけばしい色の看板、そしてビル。
園内を流れる音楽も、これまたロックンロールであったり、ジャズであったりする。
こういうのを見て、当のアメリカ人はどう感ずるだろうか。いや、ほかの国のアジア人でもよい。
見ると、韓国や中国、台湾からの観光客が、何割かがそうであるというぐらい目についた。
彼らは日本という国を訪れながら、その日本でアメリカを見ているのだ!
……こういうとき、あの戦争の話をするのもヤボなことだが、こういう現状を目の当たりにすると、「いったいあの戦争は何だったのか」と、そこまで考えてしまう。
300万人の日本人がそのために死に、同じく300万人の外国人が死んでいる。「これらの人たちは、いったい何のために死んだのか」と。
女房は「こういうところは楽しめばいいのよ」と言う。私もそう思う。
しかし人生も50歳を過ぎると、そうは小回りがきかなくなる。脳みそをカラッポにして楽しむというわけにはいかない。
ときどきため息をつきながら、私は夕方、ユニバーサルスタジオをあとにした。
●遠慮 | ●見方を変える |
●追えば追うほど、心を削る | ●子どものおねしょとストレス |
●遅れたら、「核」づくり | ●男らしさ、女らしさ |
●子どもの理性 | ●親子とは |
●教えずして教える | ●ユニバーサルスタジオ |
●親のうしろ姿 | ●大声で笑わせる |
●おどしは理性の敵 | ●子どもへの禁止命令 |
●未来を楽しみにさせる | ●依存心と自立心 |
●本当の問題 | ●あるがままを受け入れる |
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。