「見方を変える」 はやし浩司先生の育児・教育指導
中高年の自殺がふえているという。私もその予備軍のようなものだ。
ときどき生きていることそのものが無意味に思えることがある。
「死んだら、どんなに楽になるだろう」と。
しかしそのたびに、つまりそのあとになって、私がまちがっていたことを知る。
名前は忘れたが、少し前ビデオで見た映画(※)の中に、こんなジョークがあった。
ある男が病院へ来てこう言った。
「ドクター、私は頭を押さえても頭が痛い。腹を押させても腹が痛い。足を押さえても足が痛い。体中、どこを押させても痛い。私は何の病気でしょうか」と。
するとそのドクターは、こう言った。「あなたはどこも悪くない。ただあなたの指が折れているだけだよ」と。
ほんの少しだけ見方を変えると、ものの考え方も180度変わるということだが、「何もかもダメだ」と思うときも、見方を変えると一変する。
ダメなのは、私自身ではなく、ものの考え方なのだ。子どもにしてもしかり。
勉強はしない。夜な夜なコンビニの前に座り、酒を飲む。タバコを吸う。叱るどころか、こわくて話をすることもできない。
「生きていてくれるだけでもいい」と思うのは、まだよいほうだ。
親も追いつめられるところまで追いつめられると、「よそ様に迷惑さえかけなければ……」と願うようになる。
親子でも、どこかで歯車が狂うと、そうなる。
そしてそういうとき親は、深い絶望感にさいなまれる。
その子どもを産んだことを後悔する親さえいる。が、そういうときでも、ダメなのは子ども自身ではなく、子どもを見る、あなたの見方なのだ。
今、あなたは生きている。子どもは子どもで生きている。
この数10億年という歴史の、その瞬間に、同じく数10億人という人間の、その中で、親として、そして子どもとして、互いに同じ時代で、同じ場所で、しかももっとも近い人間として生きている!
そのすばらしさの前では、どんな問題もささいな問題でしかない。
繰り返すが、ダメなのは、あなたの子どもではなく、あなた自身の見方なのだ。子どもがダメだと思ったら、あなたの見方を変えればよい。
それですべての問題は解決する。
……もっともこういう極端な例は別としても、最後の砦(とりで)の一つとして、こうしたものの考え方を心の中に用意しておくことは、大切なことだ。私もふと死にたくなるときがある。
女房は「初老成のうつ病よ」と笑うが、そうかもしれない。あるいはそうでないかもしれない。
しかし私は一方で、こう思う。
どうせ一度しかない人生だから、とことん最後まで見てやろうと。そして最後の最後になったら、この宇宙もろとも、消えればよい、と。
何とも深刻な話になってしまったが、あなたの見方を変える一つのヒントになればうれしい。
※……イラン映画「桜桃の味」
●遠慮 | ●見方を変える |
●追えば追うほど、心を削る | ●子どものおねしょとストレス |
●遅れたら、「核」づくり | ●男らしさ、女らしさ |
●子どもの理性 | ●親子とは |
●教えずして教える | ●ユニバーサルスタジオ |
●親のうしろ姿 | ●大声で笑わせる |
●おどしは理性の敵 | ●子どもへの禁止命令 |
●未来を楽しみにさせる | ●依存心と自立心 |
●本当の問題 | ●あるがままを受け入れる |
NO’1〜NO’24 | NO’73〜NO’96 | NO’145〜NO’168 |
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。