「本当の問題」 はやし浩司先生の育児・教育指導
この日本では、一度コースにのってしまえば、役職は向こうからやってくる。
そうでない人から見れば、夢のまた夢のような役職ですら、町内の役職が回ってくるように回ってくる。そしてその役職をそれなりにうまくやりこなしていると、いわゆる「出世」できる。
こういうのを日本では、学歴社会という。
「学歴」という言い方に問題があるなら、コース社会と言ってもよい。不公平社会と言ってもよい。
こうして出世(?)した人の中には、もちろん力のある人もいるが、しかし大半は、コースという「波」に乗っただけとみてよい。つまり「運」。が、問題は、こうしたコースがあることもさることながら、こうしたコースは、代々、それぞれの人に受け継がれ、それをまたつぎの代に残しているということ。
コースにのるということは、生活が安定するばかりではなく、それ自体、たいへん居心地のよい世界でもある。地位や名声が高ければ高いほど、あがめたてまつられる。
その人が発する一言一句、一挙一動が注目される。
信じられないような話かもしれないが、こうして出世した人は、講演にしても、1時間で100万円をくだらない。
テレビや雑誌に出るような人だと、もっと高額になる。事実を一つ、書く。
もう20年ほど前だが、私はいろいろな人のゴーストライターをしていた。
書いた本は、10〜20冊はある。(冊数が不明なのは、半分だけ書いたというのもあるから)。
ほとんどは初版だけで絶版になったが、何冊かは結構売れた。
その中でもあるドクターの名前で書いた1冊だけは、専門書だったが、年間、数10万部も売れた。
そのドクターにとっては、最初で、今にいたるまで最後の本だったが、しかしそのドクターは、私が書いた本をぶらさげて講演するようになった。
そのときの講演料が1日、20万円。
大卒の初任給が10万円前後の時代だった。日本にはこういう社会が、歴然として存在する。
……というような話なら、あなたもどこかで聞いたことがあると思う。
しかし本当の問題は、こうした不公平社会があるということではない。
本当の問題は、そういう社会を容認している「私たち」自身にある。ひょっとしたら、あなたも、「あわよくばそうなりたいものだ」と思っているかもしれない。
そういう「思い」が、結局はこうした社会を容認し、支えてしまう。が、ここで大きな問題にぶつかる。
では、そういう社会がまったくなくなってしてまったら、それはそれでよいのかという問題である。
不公平であることそのものが、目標になることがある。社会を動かす原動力になることもある。
そこで言えることは、不公平なら不公平でもよいが、それが合理的なものであればよいということ。
その人の努力や能力が、正当に評価されるなら問題はない。が、いびつな不公平がはびこればはびこるほど、他方で、もともと正当に評価されるべき人が正当に評価されなくなってしまう。
それこそが本当の問題ということになる。そしてそういう社会がはびこれば、人はまじめに働くことをやめ、社会そのものが崩壊する。
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情報・画像の出展:はやし浩司先生
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。