「おどしは理性の敵」 はやし浩司先生の育児・教育指導
子どもをわざと不安にさせる。わざと孤立させる。あるいはおどす。
日本人には日本人独特の子育て法というのがある。
15年ほど前だが、私はT教授が書いた本を読んで、体中が怒りで震えたことがある。
当時(今も?)、日本を代表する教育評論家だった。
いわく、「親子のきずなを深めるためには、遊園地などで子どもをわざと迷子にしてみればよい」と。
とんでもない教育法である。
当時の日本人は、この程度の教育論(失礼!)を読んで納得したかもしれないが、それにしてもお粗末。
もしあとで「わざと」であったことを子どもが知ったら、その時点で親子のきずなは、こなごなに破壊される。
いや、そういう卑怯なやり方ができるということ自体、その人の人間性そのものを疑ってよい。
親は子どもには、どこまでも誠実でなければならない。
たとえ子どもが親を裏切ったとしても、親は子どもに誠実でなければならない。
それがまた親の親としての愛の深さを決める。
話を戻すが、こうした方法は、子育てでは邪道。
手っ取りばやく子どもをしつけるには、それなりの効果があるが、長い目で見れば、逆効果。
よくある例が、デパートなどで泣き叫ぶ子どもに向かって、「あなたを置いてきますからね」とか、「あんたを捨てますからね」と言う親がいる。
親としては軽いおどしのつもりで言うかもしれないが、子どもはそれを本気にしてますます大声で泣き叫ぶ……。
そういうとき子どもは、わかっていて泣き叫ぶのではない。
恐怖心にかられて泣き叫ぶ。だからしつけとしての効果はまったくないばかりか、ばあいによっては、子どもの理性そのものを破壊する。
そこで「おどしは、理性の敵」を覚えておく。
おどしが日常化すればするほど、子どもから、静かに善悪を判断するというバランス感覚が消える。
ものの考え方が極端になったり、先鋭化したりする。
いや、その前に、おどさなければ子どもがあなたの言うことを聞かないというのであれば、もうすでにあなたと子どもの関係は、かなり危険な常態にあるとみてよい。やがてあなたの子どもは、あなたの手に負えなくなる。
●遠慮 | ●見方を変える |
●追えば追うほど、心を削る | ●子どものおねしょとストレス |
●遅れたら、「核」づくり | ●男らしさ、女らしさ |
●子どもの理性 | ●親子とは |
●教えずして教える | ●ユニバーサルスタジオ |
●親のうしろ姿 | ●大声で笑わせる |
●おどしは理性の敵 | ●子どもへの禁止命令 |
●未来を楽しみにさせる | ●依存心と自立心 |
●本当の問題 | ●あるがままを受け入れる |
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。