「知恵の発達のバロメーター」 はやし浩司先生の育児・教育指導
幼児というのは、そのときどきにおいて、ちょうど昆虫が脱皮するように成長する。
精神の発達だけではない。知恵の発達もそうだ。
たとえば4歳以前の子どもは、文字にほとんど興味を示さない。
ところが満4・5歳(=4歳6か月)を過ぎることから、急速に文字に興味を示し始める。(だからといって四歳以前の子どもに、文字学習が無駄であると言っているのではない。
四歳以前は、たとえば親が本を読んであげるなどの、読み聞かせが大切。
そういう下地があってはじめて、子どもはやがて文字に興味をもつようになる。)
この時期、子どもは文字をまねて書くようになるが、もちろん文字の「形」にはなっていない。
クルクルと丸を描いたり、それを重ねたような図形を描いたりする。
この時期をうまくとらえると、子どもは文字に興味をもつようになり、ついで自分でも文字を書きはじめる。
コツは、あれこれルール(形や書き順など)はうるさく言わないこと。
文字を書く楽しみを何よりも大切にする。
……というように、幼児は段階的な発達をするが、そこでひとつの基準として、つぎのように考えるとよい。
形……三角と四角を組み合わせたような図形を子どもに見せ、それを別の紙に書き写させてみる。
形の弁別ができない子どもが、三角とも四角ともわからないグニャグニャの形を描く。
しかし四歳前後から、形の弁別ができるようになり、何となく三角、何となく四角というような図形を描けるようになる。
数字……ほとんどの子どもは、数字から文字の世界に入る。
最初は、「1」「2」など。自分の名前を書こうとする子どももいる。
そのとき同時に、子どもは1から10までを数えるようになり、少しの指導で30までなら数えることができるようになる。年中児の終わりで30まで、年長児の終わりで100までを目標にするとよい。
「多い、少ない」「ふえた、減った」の感覚から、「得をした、損をした」も理解できるようになる。
ただ文字といっても「8」「9」は、幼児にはたいへんむずかしい。
年長児でも正しく書ける子どもは、全体の60〜70%とみる。
ひらがな、カタカナ……年長児(満六歳児)の約80%弱(夏休みの段階)が、ほぼ自由にひらがなを読み書きできる。
しかし一方で、文字に対して恐怖心をもつ子どもも、この時期急増する。
家庭での無理な学習が原因と考えてよい。それはともかくも、この時期までに子どもは、とくに教えなくても、いつの間にかひらがなを読めるようになった、というふうにして文字を読み書きできるようになる。
これはあくまでもひとつの目安であり、個人差もある。大切なことは子どものリズムをうまくつかみ、無理をしないこと。そのリズムにうまくのれば、子どもは伸びやかに成長するし、そうでなければそうでない。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー11
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。