「灯をともして、引き出す」 はやし浩司先生の育児・教育指導
恩師が教えてくれた言葉である。
子どもは、「灯をともして、引き出す」。
そしてこれが欧米流れの教育の基本でもある。
エデュケーションの語源は、「EDUCE(引き出す)」である。
一方、日本語(中国語)では、「教え育てる」が基本になっている。
どちらがよいとか悪いとか言っているのではない。
「教育」に対する考え方が、基本的な部分で正反対だということ。
日本では、子どもをある特定の形につくりあげるのが教育ということになっている。
一方、欧米では、子ども自身の方向を認め、その選択を子ども自身に任せているということ。
この違いは、いろいろな場面で表れる。
たとえば日本では、先生は、「わかったか?」「よし、ではつぎ!」と言って授業を進める。
しかしアメリカでは、「どう思う?」「それはいい考えだ」と言って授業を進める。
そのため日本では、子どもに子ども自身の考えをあまりもたせない。
一方、アメリカでは、子どものときから、子どもの言葉で子どもに話させる。
わかりやすく言えば、日本の教育は、まず学校があって教師がいる。
そこへ生徒がやってくるという図式で成り立っている。
一方、欧米では、まず子どもがいて、その周囲に教師がいて、学校があるという図式で成り立っている。わかりにくい話かもしれないが、要するに「学校中心」か、「子ども中心」かという話になる。だから……。
たとえばアメリカでは、学校の先生が落第を親にすすめると、親は喜んでそれに従う。
「喜んで」だ。これはウソでも誇張でもない。事実だ。
むしろ子どもの成績が落ちたりすると、親のほうから落第を頼みにいくケースも多い。
「うちの子はまだ、進級する準備ができていない(レディできていない)」と。
アメリカの親たちは、「そのほうが子どものためになる」と考える。が、この日本ではそうはいかない。
いかないことは、あなた自身が一番よく知っている。
同じ「教育」といっても、外から見た「形」はよく似ていても、その中身、つまり意識は日本と欧米とでは、まるで違う。そういうことも考えながら、「灯をともして、引き出す」の意味を、もう一度考えてみてほしい。
あなたもきっと、「なるほど」と納得するはずだ。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー11
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。