「代償的過保護」 はやし浩司先生の育児・教育指導
本来、過保護というのは親の愛がその背景にある。
その愛があり、何かの心配ごとが重なって、親は子どもを過保護にするようになる。
しかしその愛がなく、子どもを自分の支配下において、自分の思いどおりにしたいという過保護を、代償的過保護という。
いわば過保護もどきの過保護。親のエゴにもとづいた、自分勝手な過保護と思えばよい。
代償的過保護の特徴
(1)親の支配意識が強く、
(2)子どもを自分の思いどおりにしたいという意欲が強い。そのため
(3)心配過剰、過干渉、過関心になりやすい。
(4)子どもを人間というよりは、モノとして見る目が強く、子どもが自立して自分から離れていくのを望まないなどがある。
このタイプの親は、一見子どもを愛しているように見えるが、(また親自身もそう思い込んでいるケースが多いが)、その実、子どもを愛するということがどういうことか、わかっていない。
わからないまま、さまざまな手を使って、子どもを自分の支配下に置こうとする。
ある父親は、息子が家を飛び出し、会社へ就職したとき、その会社の社長に電話を入れ、強引にその会社をやめさせてしまった。
またある母親は、息子の結婚にことごとく反対し、そのつど結婚話をすべて破談にしてしまった。
息子を生涯、ほとんど家の外へ出さなかった母親もいるし、お金で息子をしばった父親もいる。
「お前には学費が3000万円かかったから、それを返すまで家を出るな」と。
結果的にそうなったとも言えるが、宗教を利用して子どもをしばった親もいた。
そうでない親には信じられないような話だが、実際にはそういう親も少なくない。
ひょっとしたら、あなたの周囲にもこのタイプの親がいるかもしれない。
いや、あなたという親にも、いろいろな面があり、その中の一部に、この代償的過保護的な部分があるかもしれない。
もしそうなら、あなたの中のどの部分が代償的過保護であり、あるいはどこから先が代償的過保護でないかを、冷静に判断してみる。
この問題は、どこが代償的過保護的であるかに気がつくだけで、問題のほとんどは解決したとみる。
ほとんどの親は、それに気づかないまま、代償的過保護を繰り返す。そしてその結果として、親子の間を大きく断絶させたり、反対に子ども自立できないひ弱な子どもにしたりする。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー10
NO’217〜NO’240
●新居の関所 | ●一芸論 |
●便利な世界 | ●一芸は聖域 |
●案ずるより産むがやすし | ●フリ勉、ダラ勉、時間ツブシ |
●威圧で閉じる子どもの耳 | ●勉強が苦手な子ども |
●よい子論 | ●「今」の価値を忘れない |
●子どもの家出 | ●ええじゃないか |
●現場主義 | ●子どもの創造力 |
●子どもの意地 | ●習うより慣れる |
●子どもの自我 | ●子どもの嫉妬 |
●いじめられっ子は徳をつむ? | ●子どもの闘争心 |
●ホームスクール | ●権威主義者 |
●いたずらとジョーク | ●無限ループの世界 |
NO’1〜NO’24 | NO’73〜NO’96 | NO’145〜NO’168 |
NO’25〜NO’48 | NO’97〜NO’120 | NO’169〜NO’192 |
NO’49〜NO’72 | NO’121〜NO’144 | NO’193〜NO’216 |
NO’217〜NO’240 | NO’241〜NO’264 | NO’265〜NO’282 |
NO’283〜NO’292 |
情報・画像の出展:はやし浩司先生
※このページの文章・及び画像の著作権は「はやし浩司」様が保有しています。
当サイトでは「はやし浩司」様のご厚意により許可を得て掲載させていただいております。
【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。