「いたずらとジョーク」 はやし浩司先生の育児・教育指導
「笑い」は高度に進化した動物たちに与えられた、まさに知的特権である。
人間はもちろんのこと、サルや犬も笑うことが知られている。
ほかの動物については知らないが、中には笑っているのもいるかもしれない。
その「笑い」を誘うのが知的遊戯であり、その代表的なものが、いたずらとジョークである。
子どもはこのいたずらとジョークが大好きで、一般論として融通のハバが広い子どもほど、いたずらやジョークのハバが広い。
この時期、いたずらもしなければ、ジョークも通じないというのは、あまり好ましいことではない。
俗に頭のかたい子どもは、その融通がきかない。ジョークも通じない。こんなことがあった。
ある夜遅く、一人の母親から抗議の電話がかかってきた。
いわく、「先生は、授業中、虫を食べているそうですね。娘が気味悪がって泣いていますから、どうかそういうことはしないでください」と。
私はときどき子どもたちの前で、泣き虫とか怒り虫を食べたフリをしてみせる。泣き虫を食べたときは、オイオイと泣いて見せるなど。それをその子ども(長女児)は本気にしたらしい。
あるいは同じことについて、別の日。
怒り虫を食べて、子どもたちの前で怒ったフリをしてみせたことがある。
そのとき(もちろん演技でだが)、プリントを丸めて、最前列にいた子ども(年中男児)の頭をポンポンとたたいてみせた。(痛いはずがない!)が、それについてやはり電話で、「先生は、うちの子どもの頭を理由もなくたたいたというではありませんか! 先生は体罰反対ではなかったのではないですか!」と。ものすごい剣幕だった。
いたずらといっても、常識をはずれたいたずらがよいわけではない。
私のお茶に、殺虫剤を入れた中学生がいた。
あるいは私が黙ってうなずいた瞬間、顔の下にシャープペンシルを立てた中学生もいた。
そのときはマユの下を切り、顔中が血だけになった。あと数センチ位置がずれていたら、私は右目を失明していただろう。
そういういたずらは、常識のブレーキが働かないという点で、好ましいいたずらとはいえない。
頭のやわらかい子どもや、知的レベルの高い子どもほど、ジョークが通ずる。
幼稚園児でもおとなのジョークを理解することができる。
ある日、幼稚園児の前で、「アルゼンチンのサポーターには、女の人はいないんだってエ」と言ったときのこと。
子どもたちが「どうしてエ?」と聞いたので、私が「だって、アル・ゼン・チンだもんねえ」と言った。
言ったあと、「無理かな」と思ったが、一人だけニヤッと笑った子どもがいた。日ごろから頭のよい子だった。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー10
NO’217〜NO’240
●新居の関所 | ●一芸論 |
●便利な世界 | ●一芸は聖域 |
●案ずるより産むがやすし | ●フリ勉、ダラ勉、時間ツブシ |
●威圧で閉じる子どもの耳 | ●勉強が苦手な子ども |
●よい子論 | ●「今」の価値を忘れない |
●子どもの家出 | ●ええじゃないか |
●現場主義 | ●子どもの創造力 |
●子どもの意地 | ●習うより慣れる |
●子どもの自我 | ●子どもの嫉妬 |
●いじめられっ子は徳をつむ? | ●子どもの闘争心 |
●ホームスクール | ●権威主義者 |
●いたずらとジョーク | ●無限ループの世界 |
NO’1〜NO’24 | NO’73〜NO’96 | NO’145〜NO’168 |
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。