「あと一歩でやめる」 はやし浩司先生の育児・教育指導
子どもを勉強好きにするコツがこれ。「あと一歩でやめる」。
これにはいろいろな意味が含まれる。
◇与えすぎない
学習量を、子どもの能力が10とみたら、8か9、できれば7のところでやめる。
親は「11、もしくはせめて12」と無理をするが、この無理が続くと、子どもは確実に勉強嫌いになる。こんな相談があった。
その子どもは毎日プリント学習を三枚することになっているのだが、何とか2枚はするのだが、3枚目になると時間ばかりかかって先へ進まないという。
それで「どうしたらいいか」と。答は簡単。そういうときは2枚でやめる。
仮にその子どもがスラスラと3枚もしたら、親は今度は「4枚!」と枚数をふやすに違いない。子どもはそれを知っている。
◇30分やって、勉強らしきことは5分
受験生でもないなら、30分間机に向かって、丸々30分勉強する子どもなど、いない。
勉強というと、戦前の軍国主義教育のなごりなのか、子どもは黙々と勉強するものだと思っている人は多い。しかしそれはまったくの誤解。
よほどのプロでも、幼児(年長児)を、30分間学習にひきつけておくのは、至難のわざといってもよい。
だからあなたの子どもが30分間くらいなら座っていることができるなら、勉強はその30分以内できりあげる。
10分でも20分でもよい。その中で、5分くらいで勉強らしきことをしたと思ったら、それでよしとする。
◇レベルをさげる
家でする学習は、思い切ってレベルをさげる。
ワークブックにしても、文字が大きく、やりやすいものを選ぶ。簡単なものでよい。
子どもにとって大切なことは、達成感。「やり終えた」という満足感を大切にする。
◇やってここまで
ほとんどの親は、「うちの子はやればできるはず」と思っている。
しかしやる、やらないも「力」のうち。
「やればできるはず」と思ったら、すかさず「やってここまで」と思う。
また親というのは、たまに子どもが100点を取ってくると、「やはりうちの子は……」と思い、悪い点を取ってくると、「そんなはずはない」と思うもの。
しかし子どもの能力も、その一歩手前で判断するとよい。
80点を取ってきたら、70点くらいと思う。70点を取ってきたら、60点と思うなど。
一歩退いた見方が、子どもの心に余裕を生む。それが子どもを伸ばす原動力になる。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー9
NO’193〜NO’216
●自分を知る | ●汗はかかせる |
●教育と指導 | ●あせる親は結論も早い |
●いい学校から、いい家庭へ | ●遊びが子どもの仕事 |
●疑いをいだかない愛 | ●思考回路 |
●愛情は落差の問題 | ●構造的な問題 |
●愛想は悪くて当たり前 | ●知識と学力 |
●子どもへの虐待 | ●頭を良くする方法 |
●あきらめは悟りの境地 | ●読書のしつけ |
●悪筆、言ってなおらず | ●あと一歩でやめる |
●普通こそ最善 | ●個性は生きザマ |
●それ以上、何を望むか | ●アルバムをそばに置く |
●己こそ、己のよるべ | ●前向きの暗示を |
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。