「愛情は落差の問題」 はやし浩司先生の育児・教育指導
親が子どもに与える愛情に、絶対的な尺度はない。
どの程度、どれだけ深く与えればよいという基準はない。しかし子どもは、その「落差」にはきわめて敏感に反応する。
たとえばよく知られた現象に赤ちゃんがえりがある。
下の子どもが生まれたことがきっかけとなって、子どもが急に赤ちゃんぽくなる症状をいう。
言葉や言い方そのものが赤ちゃんぽくなったり、おねしょをしたり、指しゃぶりをしたりするようになったりする。(反対に、下の子に攻撃的に出る子どももいる。)
こういうケースでは、ほとんどの親は、「上の子も下の子も、平等にかわいがっている」と言う。
「だから文句はないはずだ」と。
しかし上の子どもにしてみれば、それまで100あった愛情が、半分の50に減ったことが問題なのだ。
つまり子どもへの愛情の問題は、量ではなく、落差の問題である。
子どもが赤ちゃんがえりを起こしたら、その症状に応じて、つぎのように対処する。
症状がたいへん重く、複雑な症状を示し始めたら、もう一度全幅の愛情を上の子どもに注ぐ。
そして様子をみながら、少しずつ手を抜きながら、その分、下の子どもに愛情を分け与えていく。
症状が軽く、子どもの自意識でコントロールできるようなら、子どもを説得しながら、平等をつづける。
また下の子どもに暴力を振るうなど、攻撃的な様子がみられたら、スキンシップを濃厚にしてみる。
このケースでも、叱れば叱るほど、逆効果。本能的な嫉妬心が原因であるだけに、叱っても意味がない。ないばかりか、症状をますますこじらせる。
ふつうはこうした赤ちゃんがえりを起こさないように、下の子を妊娠したときから、上の子教育を始める。
たとえば上の子が下の子の誕生を楽しみにさせるような雰囲気づくりをするなど。
まずいのはある日突然、下の子が生まれたというような状態にすること。
子どもの側からみて、嫉妬するのは当然。また嫉妬がいかに恐ろしいものであるかは、いまさらここで説明する必要はないと思う。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー9
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。