「未来を楽しみにさせる」 はやし浩司先生の育児・教育指導
『未来をおどさない』は大鉄則だが、これを裏がえしていうと、『未来を楽しみにさせる』ということになる。
たとえば幼稚園への入園を迎えるころには、「幼稚園は楽しい」「先生はいい人」「あなたは先生にほめられる」など、そのつど前向きに暗示をかける。
まちがっても、「幼稚園はこわい」式の暗示をかけてはいけない。
一人、こんなことを言う母親がいた。
「幼稚園では、10数えるうちに服を着られないと、先生に怒られる。先生はママと違ってこわいわよ」と。あるいは「幼稚園では先生の言うことを聞かないと、叱られる」と。
その母親は子どもに緊張感をもたせるためにそう言ったのかもしれないが、子どもによっては、まさに逆効果。しかもこの時期、一度未来に対して不安をいだくようになると、それがそのまま一つの思考回路となって残り、子どもはいつも未来に対して不安をいだくようになる。
そうなればなったで、家庭教育の大失敗というもの。
ところで集団生活が苦手になるかどうかは、子どもがはじめて集団に触れたときの印象で決まる。
これは私が入園式のときの子どもの様子を観察していて発見したことであるが、その瞬間、心を解放してワーッと集団に溶け込めた子どもは、そのまま集団に溶け込むことができる。
が、そのとき、ある種の緊張感に包まれた子どもは、その緊張感を克服するのにかなりの時間がかかる。
中にはその緊張感がいつまでも続いたり、あるいはそれが原因で情緒が不安定になる子どもがいる。そういう意味でも、その「はじめの一歩」を大切にする。
無理をしない。無理強いをしない。無理を押しつけない。
そっと子どもを包むようなおおらかさで、少しずつ集団に溶け込ませるようにする。
中に「わがまま」とか、「気のせい」とか言う親がいるが、これは誤解である。
とくに乳児期から親とのマンツーマンで育てられたような子どもほど、注意する。このタイプの子どもは、外の世界に対して、免疫性がないので、最初の段階で失敗しやすい。
方法としては、徐々に子どもの心をもりあげていくようにする。
「あなたは服を早く着られるから、先生にほめられるわよ」「友だちがたくさん待っているよ」と。
そしていよいよ当日に近づいたら、あたかもピクニックか何かでも行くような雰囲気にする。こうして子どもの緊張感をすっかり取っておく。
ともかくも、子どもの未来はおどさない。その一語に尽きる。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー7
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。