「たくましさは緊急時にわかる」 はやし浩司先生の育児・教育指導
やさしさ……ブランコを横取りされたとき、ニコニコ笑いながら、黙って明け渡すような子どもを、「やさしい子ども」と誤解している人がいる。
しかしそういう子どもを、やさしい子どもとは言わない。
やさしい子どもというのは、相手を喜ばすことを知っている子どもをいう。
ある男の子(年長男児)は幼稚園でみかけると、いつもだれかを三輪車に乗せ、それを押していた。で、ある日、私が「たまには君が押してもらってはどう?」と聞くと、その子どもはこう言った。
「ぼくはこのほうが楽しいもん」と。そういう子どもをやさしい子どもという。
まじめ……言われたことをきちんとする子どもを、「まじめな子」と誤解している人がいる。
従順で、すなおな子どもを、だ。しかしこれも誤解。
まじめな子どもというのは、自らを律する力をもっている子どもをいう。
こんな子ども(小3女児)がいた。
バス停でたまたま出あったので、「ジュースを買ってあげようか」と声をかけたときのこと。その子どもはこう言った。「これから家でごはんを食べますからいいです」と。こういう子どもをまじめな子どもという。
がまん……サッカーならサッカーを一日しているから、がまん強いということにはならない。
その子どもは好きなことをしているだけ。
子どもにとって、がまんとは、いやなことをする力のことをいう。
たとえば台所の生ゴミを手で始末するなど。おばあさんの吐いたものを、タオルでぬぐってあげていた子ども(年長女児)がいたが、そういう子どもをがまん強い子どもという。
すなお……心の状態と顔の表情が一致している子どもをすなおな子どもという。
あるいは、いじけ、ひがみ、つっぱり、がんこなど、心のゆがみのない子どもをすなおな子どもという。
子どもは、おとなもそうだが、心がゆがんでくると、心の状態と表情が一致しなくなる。
これを心理学の世界では、「遊離」と呼んでいる。
こうした遊離は、たいへん危険なものである。親からすれば、「何を考えているか、わけのわからない子ども」ということになる。子どもはその表情の裏で、心をゆがめる。
最後に、たくましさ……子どものたくましさは、緊急時をみて判断する。
けんかが強いとか、そういうことではない。
ある子ども(年長男児)は、急用で家をあけなければならなくなったとき、食事の世話、戸締り、消灯など、さらには妹の世話まで、すべてをひとりでやりこなした。
こういう子どもをたくましい子どもという。
母親は「やらせればできるものですねえ」と笑っていた。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー7
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。