「先生とは距離を保つ」 はやし浩司先生の育児・教育指導
先生という立場が特殊なのは、その間に「子ども」がいることによる。
だからそのため当然、ふつうの人間関係とは異なってくる。異なって当然。
先生とて人間とはいえ、その特殊性を忘れると、先生と子どもの関係そのものまで破壊することになりかねない。そこでいくつかの教訓。
(1) 先生とは、淡く水のようにつきあう……
子どものことは子どものこと、事務的なことは事務的なこととして、淡々とすます。
これは教師の側についても同じことで、互いに深入りは禁物。個人的な相談ごとはタブー。
家族の問題を相談するのもタブーということになる。
受ける教師についていうなら、親からの相談は、子どもの問題に関してのみとなる。
(2) 先生の批判、批評はしない……
子どものいる前ではもちろんのこと、ほかの父母とも、先生の批判、批評はしない。
中には「あなたどう思う?」と聞いてくる親がいるかもしれないが、相槌を打つのも避ける。
相槌を打てば打ったで、今度はあなたの言った言葉として広まってしまう。
もし先生に問題があるなら、そのときはそのときで、慎重にことをすすめる。
教育は信頼関係で成りたっている。その信頼関係を破壊すれば、教育そのものが崩壊する。
(3) 一部の父母の動きに同調しない……
父母といっても、いろいろな人がいる。
八人まではまともでも、まともでない人(失礼!)も、一、二人は必ず、いる。
そういう人の動きのウズに巻き込まれると、それこそたいへんなことになる。
現に今、私の近辺でも、「言った、言わない」がこじれて、親どうしが裁判所で争っているケースがある。子どもへの過関心が高じて、育児ノイローゼやうつ病になっている親はいくらでもいる。
(4) ひんぱんな相談は避ける……
あなたから見れば一対一かもしれないが、先生からみると、一対一ではすまない。
「先生は私だけに関心がある」と思うのも、また「私だけに特別の関心をもってほしい」と思うのも、この世界ではまちがい。
先生というのは、本当に忙しい。
たった一人の子どもですらもてあましているあなたが、30人も押しつけて、しっかりめんどうをみろというのも、身勝手ではないか。そういう視点からも、先生との間には距離を置く。
教育、教育といいながら、その底流では親たちの醜い欲得がウズを巻いている。
とくに受験期の親たちはそうで、ひょっとしたらあなた自身もその中に巻き込まれてしるかもしれない。しかしもしそうなら、今すぐ、そのウズの外に出たほうがよい。
あなたの思い出を醜くするのみならず、親子の間に大きなキレツを入れることにもなりかねない。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー7
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。