「子どもは先手を取る」 はやし浩司先生の育児・教育指導
子どもはウソをつかない……と書いても、今ではそう思う人は少ない。
たとえば子どもというのは、塾などをやめたくなっても、「やめたい」とは言わない。たいていはその塾の悪口を言い始める。
「先生がまじめに教えてくれない」「ふざけている」「眠っている」など。つまり親をして、「そんな塾ならやめなさい」と言うようにしむける。こんなことがあった。
ある学校の先生が、その子ども(小4男児)に、こう言った。
「君はほとんど宿題をやってこないが、今度宿題をやってこなかったら、親に言いつけるからな」と。
先生は軽いおどしのつもりでそう言っただけなのだが、その日からその子どもは家へ帰ると、さかんにその先生の悪口を言うようになった。
「えこひいきする」「ぼくだけ叱る」「授業中にものを投げつけた」など。
やがて親はその先生のことを、ひどい教師と思うようになったが、それこそその子どもの思うツボ。
つまり子どもが先手を打ったことになる。
こうした例は、たいへん多い。
先生とて生身の人間だから、ときにはハメをはずして騒ぐこともある。失敗することもある。
そういうことがすべていけないとなったら、先生とてこわくて授業そのものができなくなる。たとえば2002年の3月、北海道でこんな事件があった。
何でもその先生が、スキーの指導中に、「自殺するつもりですべれ!」と号令をかけたというのだ。
しかしこの言葉が大問題になって、日本を代表するM新聞に載った。
たしかにこの発言には問題はあるが、しかし全国のニュースになるほどの問題かというと、そうではない。
逆に言うと、こんな発言程度で全国のニュースになるとすると、学校の先生も、こわくて何も言えなくなる。ますます萎縮する。
先生が「自殺するつもりで」と言ったのは、「思いきって」という意味だったのだろう。
だれも本気にしないだろうし、本気にするほうがおかしい。
私はこのニュースを読んだとき、その前提として、教師と生徒の間の信頼関係が崩壊していたのではないかと思った。信頼関係がしっかりしていれば、冗談は冗談ですんだはずである。
あるいは冗談として処理できたはずである。
子どもを疑えということではないが、しかし信じ過ぎるのもよくない。
よくないことは、現場の教師なら、だれしも知っている。そのことを私は言いたかった。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー7
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。