「設計図タイプの親」 はやし浩司先生の育児・教育指導
親が自分の子どもに夢や希望を託すのは、悪いことではない。
それがあるから親は子どもを育てる。子育てもまた楽しい。
しかしそれが過剰になったとき、過剰期待となる。が、さらにそれが進んで、中には、あらかじめ設計図を用意し、その設計図に子どもをあてはめようとする親がいる。
「やさしくて思いやりのある、スポーツマンタイプの子ども」「高校はS高校で、大学はA大学。将来は医師か弁護士」と。しかし……。
設計図をもっている親は、独特の話し方をする。たとえばこんな言い方。
「私はどこの高校でもいいと思っていますが、うちの子はS高校へ入りたいと言っています。そんなわけで、どうかうちの子の希望をかなえさせてあげてください」と。
そこで子ども自身に聞くと、「ぼくはどこでもいいけど、お母さんがS高校でなくてはダメと言っている」と。
あるいはこんなことを頼んできた親もいた。
いよいよ娘(高3)が大学受験というときになったときのこと。
私に「娘は地元の大学でないと困ります。私から言っても言うことを聞きませんので、先生、あなたのほうから説得してください。なお、私がこうして先生に頼んだことは内密に」と。
このタイプの親は、自分の頭のどこかに描いた設計図に合わせて、自分の子どもの外堀を埋めるような形で、子どもをしばりあげていく。
そして結果的に、自分の思いどおりの子どもをつくろうとする。
親にしてみれば、自分だけがそういう言い方をしていると思っているが、教える側は無数の親と接している。そしてそういう親たちを類型化することができる。その一つが、このタイプの親ということになる。
子どもはたしかにあなたから生まれ、あなたの子どもかもしれないが、同時に、別個の人間である。古い世代の人の中には、まだ子どもを「モノ」のように思っている人も多い。が、しかしこうした意識は、きわめて原始的ですらある。もしあなたがここでいう設計図タイプの親なら、自分自身の中の原始的な親子観を疑ってみたらよい。
子どもはあなたの思いどおりにはならないし、ならなくて当たり前。
またならなかったからといって、嘆くこともない。
現に今、あなただって、あなたの親の設計図どおりにはなっていないはずだ。だったら、自分の設計図を子どもに当てはめないこと。もともと親子というのは、そういうもの。そういう視点で、自分の子育て観を改める。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー6
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。