「常識は静かに引き出す」 はやし浩司先生の育児・教育指導
ものごとを静かに考え、正しい判断をくだし、その判断に従って行動する力のことを、「バランス感覚」という。
このバランス感覚がないと、子どもはかたよった考え方や、極端なものの考え方をするようになる。たとえば「この地球上の人間は、核兵器か何かで、半分くらいは死ねばいい」と言った男子高校生がいた。
あるいは「私は結婚して、早く未亡人になり、黒い喪服を着てみたい」と言った女子高校生がいた。そういうようなものの考え方をするようになる。
このバランス感覚を別の言葉で言いかえると、「豊かな常識」ということになる。
この常識というのは、だれにも平等に備わっているかのようにみえるが、そうではない。常識のない人はいくらでもいる。しかも幼児期にすでにそれが決まる。
そこで「教育!」ということになるが、実際には子どもに教えるのはたいへんむずかしい。
いや、教えて教えられるものではない。親としてせいぜいできることがあるとすれば、常識を奪わないということ。威圧的な過干渉、権威主義的な押しつけ、神経質な過関心が日常化すると、子どもはいわゆる常識ハズレの子どもになる。
昔、一生懸命粘土をコンセントに詰めて遊んでいた子ども(年長男児)がいた。
先生のコップに殺虫剤を入れた子ども(中学男子)がいた。バケツに絵の具を溶かして、それを二階のベランダから下を歩く子どもにかけていた子ども(年長男児)などがいた。
ふつう子どものいたずらというと、どこかほのぼのとした子どもらしさを感ずるが、それがない。常識というブレーキがかからないためと考える。
一般に子どもがドラ息子化すると、子どもからこのバランス感覚が消える。
子どもというのはきびしさとやさしさが、ほどよく調和した環境の中で、心をはぐくむ。が、たとえば父親が極端にきびしく、母親が極端に甘いとか、あるいはガミガミときびしい反面、結局は子どもの言いなりになってしまうような甘い環境が続くと、子どもはドラ息子化する。
症状としては、自分勝手でわがまま、約束や目標が守れない、依存心が強い割に無責任になるなど。
常識力を養うためには、子どもには自分で考える時間を、たっぷりとあげる。
「あなたはどう思うの?」「あなたはどうしたいの?」と聞きながら、子どもが何かを答えるまでじっと待つ。
そういう姿勢が子どもを常識豊かな子どもにする。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー5
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。