「10%のニヒリズム」 はやし浩司先生の育児・教育指導
テレビドラマに「三年B組金八先生」※というのがある。
まさに熱血漢教師のドラマだが、実際にはああいう教師はいない。
それはちょうどアクションドラマの中で、暴力団と刑事がピストルでバンバンと撃ちあうようなものだ。
ドラマとしてはおもしろいが、現実にはありえない。
仮に金八先生のような教師がいたとすると、その教師はあっという間に、身も心もボロボロにされる。
第一、この世界には内政不干渉の原則というのがある。
いくら問題が家庭におよんでも、教師は家庭問題までクビをつっこんではいけない。
またその権利もなければ義務もない。つっこんだらつこんだで、たいへんなことになる。
私にもいろいろな経験がある。
私はある時期、毎日のように母親教室を開いていた。が、それがよくなかった。
ある朝まだ床の中で眠っていると、一人の男がいきなり飛び込んできて、こう叫んだ。
「うちの女房が妊娠した。どうしてくれる!」と。寝耳に水とはまさにこのこと。
私が驚いていると、その様子から察したのか、その男はこう言った。
「すまんすまん。カマだ」と。
話を聞くと、その男の妻がその前夜から家出をしたという。
そこでその男は、妻がよく口にしていた私のところへ逃げてきたと思ったらしい。
その妻というのは、私の母親教室の熱心な受講生だった。
以来私は、毎日の母親教室を、週1回に減らした。
同時に、子どもの子育ての問題以外、「私は関係ない」という姿勢を貫くようにした。
こうしたトラブルは、本当に多い。
毎年少しずつ賢くなったつもりだが、つい油断をすると、同じような失敗を繰り返す。
そこで10%のニヒリズム。昔、どこかの教師が懇談会の席でそう教えてくれた。
「どんなに教育に没頭しても、100%、全力投球してはいけない。最後の10%は自分のためにとっておく。裏切られてもキズつかないようにするためだ」と。
実際、この世界、報われることよりも、裏切られることのほうが多い。
10%のニヒリズムは、そのための処世術である。
はやし浩司先生の育児・幼児教育コーナー5
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。