幼児教育の危険と弊害

幼児教育についての危険や弊害を考える


最近、幼児教育への関心の高さと比例して幼児教育による危険や弊害にも関心が向けられるようになりました。


当サイトでは、幼児教育は教育的な意味合いも含む「幼児期の子育て」であると考えていますが、一般的に幼児教育という「言葉」は、偏った考えを持つ早期教育や英才教育と混同している場合も多いようです。

情報化社会の中で、幼児教育という「言葉」は、様々な意味を持って一人歩きをしているようにも見えます。

実際、幼児教育と聞くと、様々なカリキュラムに従ってフラッシュカードなどの教材を使いながら教育を行うといったイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか?


子ども達の発達に合わせた遊び、教育やしつけを考えていくことは、親として必要なことであると思います。
ただ、考え方や捉え方は本当に様々ですので、同じ所を目指していても、子どもへの関わり方というのは千差万別です。

例えば皆様も学生時代、全く同じ講義や授業を受けても、感じ方や捉え方、習得能力などには大きな個人差があったと思います。

それは子育てや教育を行う親であっても、それを受ける子どもであっても同様です。
子ども達は、性格や環境、興味・嗜好など、本当に様々ですので、万人に当てはまる教育法などは存在しないと言っても過言ではありません。

子ども達の性格や発達具合、興味・嗜好などを把握できるのは、一番近くにる親御様(祖父母様)ですが、子どもの様子をよく観察でき、把握できるタイプの方と、失礼ですがそういったことが苦手な方、全くできない方など、実に様々です。

保育士や幼稚園教員など、大変多くの子ども達と関わり、向き合っている方の中には、少しの時間子ども達と過ごすだけで、子どもの様々な部分を把握できるような優れた感覚を持っている方もいます。

人はそれぞれ得意なものと、苦手なものがあります。
それは子育てや教育に関しても同様です。

子どもに対する愛情は親だったら皆同じと思う方もいるかもしれませんが、自分の子どもに対して愛情が持てずに苦しんでいる方も大勢います。

幼児教育や子育てを考えたとき、同じ成果や答えなどはありえません。


基本的に幼児期の教育は与えることはほんの少しで、子ども達の様子を見ながら、見守り・引き出すことが重要だと考えています。

世の中には色々な教育法がありますが、中には絶えず「与える教育」を推奨しているところもあるようです。

「与える教育」では自ら学び、成長していくという最も大切なものを奪いかねません。

例えばフラッシュカードは物事に興味を持ったり、数や文字に自発的に興味を持つためのきっかけをつくるという感覚で与えてあげることで有効活用できるとは思いますが、1日に何百枚・何千枚もフラッシュしていては、お子様の正常な成長を妨げてしまう要因にもなりかねません。

体験や経験をしながら興味を持ち、自ら学習していくことが最も大切です。
あまりに過剰なフラッシュ学習などは、自然に芽生える物事への興味を奪い、一種機械的な思考に陥りかねません。

受動的な学習に慣れてしまい過ぎることは大変危険です。

どんなに良い教育法や教育教材であっても、考え方ややり方次第で、弊害を起こしてしまう恐れがあることも理解する必要があります。


幼児期の子育ての中で、子どもの発達や成長を感じたり、子ども達とどう関わりあえば良いのかが中々掴みにくいと感じる方は、幼児期の教育についてある程度学んだほうが良いと思っています。

ただ、「我が子を天才にしたい」「子どもは皆天才のはず。我が子も教育次第できっと天才になれる!」という思いが強くある場合、知らず知らずの内に「子どもの心」や「自分自身」を見失ってしまいかねないので注意が必要です。

子どもの心に大きな負担がかかるものは決して良い教育とは言えません。

我が子の笑顔の輝きが薄くなっていると感じるのなら、子どもの心に負担のある子育てや教育をしているのかもしれないので、一度子どもへの接し方を見つめなおしてみてください。



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