適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「 親不孝を悔やむ人」について はやし浩司先生の子育て随筆
「私は、親不孝者でした」と、悔やんでいる人は多い。「親にさんざん苦労をかけながら、その恩がえしができなかった」と。
日本では、ことさら親孝行がもてはやされる。親孝行を売り物にしている倫理研究団体も、いくつかある。その中には、何十万人という会員を集めているのもある。
そういう風潮の中で、多くの日本人は、親孝行を美徳とし、その一方で、親孝行をしない者(?)を、「人間のクズ」と、排斥する。
それが日本の文化だから、私は、それを受け入れるしかない。まただからといって、私は、親孝行を否定しているのではない。
ただこうした風潮の中で、親孝行ができなかった人、あるいは親孝行をしなかった人が、自分で自分を責めるケースも、少なくない。さらにそれが進んで、自分を否定してしまう人もいる。自分で自分のことを、人間のクズと思いこんでしまう。
子どもの世界でも、これに似た現象がよく起きる。
たとえばある子どもが、親に、小さいころから、「いい大学へ入りなさい」「いい大学へ入らなければ、いい生活ができない」と、さんざん言われつづけたとする。そういう子どもが、そのままその(いい大学)は入れれば、問題はない。
しかしその(いい大学)は入れなかったとしたら、その子どもは、どうなるのか? その子どもは挫折感から、自らにダメ人間というレッテルを張ってしまう。
こういう状態になると、子どもは、現実に適合できなくなり、「現実検証能力」を失うと言われている。自信喪失から自己嫌悪におちいることもある。わかりやすく言えば、ハキのない、ナヨナヨとした人生観をもつようになってしまう。
私も、幼稚園で働くと母に告げたとき、母は、電話口の向こうで、オイオイと泣き崩れてしまった。私は、母の声を聞いたとき、どん底にたたき落とされたように感じた。たいへんなことをしてしまったと感じた。実際には、それから十年以上、私は、外の世界で、自分の職業を隠した。
私たちは、ともすれば、子どもに向かって、「こうあるべきだ」と、言いがちである。しかしそういう言葉の裏で、子どもに、別の負担を課してしまうことがある。そしてその負担を感じて、こども自身が、自らを追いこんでしまう。冒頭に書いた、親孝行もその一つということになる。
つまり子育てを、ある一定のワクの中で考えると、どうしても、そのワクを子どもに押しつけようとする。そしてその結果、そのワクが、子ども自身を押しつぶしてしまうことがある。しかもたいていは、そういうふうにしながらも、親自身に、その自覚がない。
……ということで、いきなり結論。
こうした押しつけは、慎重に。それから一言。いくらあなたの子どもが、親不孝の息子や娘であっても、その息子や娘が苦しむようなことだけは、避けたい。そのためにも、親は、いつも、無条件の愛をつらぬく。見かえりを求めない。そういうサバサバした生き方が、子どもの未来を、明るくする。つまりそういう未来を用意してあげるのも、親の務めということになる。
子どもが、「私は親不孝者」と、自ら苦しむような状況だけは、つくってはいけない。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。