適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「ギャング集団(エイジ)」について はやし浩司先生の子育て随筆
満5歳から6歳にかけて、子どもは、幼児期から、少年少女期へと移行する。急に生意気になり、親にも口答えするようになる。
親「新聞をもってきて」
子「自分のことは、自分でしな」と。
それまではどちらかというと、友だちを特定せず、だれとでも遊べた子どもでも、少年少女期へ入ると、気のあった、仲間を選ぶようになる。そしてその仲間と、好んで遊ぶようになる。
特定の集団をつくって遊ぶことから、この時代を、心理学の世界では「ギャング集団」、あるいは「ギャングエイジ」と呼ぶ。
子どもは、この時代を通して、社会のルールを身につける。統率、反抗、離反、規律、友情、差別などなど。いわゆるおとな社会に入るための、その基礎を、この時代に、身につけると考えると、わかりやすい。
多くの親たちは、子どもの教育は、学校という場で、教師対子どもの関係で、身につくものだと誤解している。しかしそれ以上に重要なものを、子どもは、学校の外で、学ぶ。
『人生で必要な知識はすべて砂場で学んだ』を書いたのはフルグラムだが、こうした実感は、学校を卒業し、人生も晩年になると、わかるようになる。
私のばあいも、学校からの帰り道、友だちと遊んだ経験や、毎日真っ暗になるまで、寺の境内で遊んだ経験が、今の私の基礎になっている。もっとも、それがわかるようになったのは、(そうでない子ども)に出会ってからである。
中には、親の異常なまでの過保護のもと、ギャング集団を、ほとんど経験しないで、育てられる子どもがいる。このタイプの子どもは、社会性がほとんど身についていないから、ときとして、とんでもないことを、しでかす。してよいことと、悪いことの区別もつかない。
友だちの誕生日プレゼントにと、腐った酒かすを箱に入れて送った子ども(小3)や、解剖したカエルの死骸を、女の子の筆入れに入れた子ども(小4)などがいた。
この子どもは、そういうことをすれば、かえって仲間に嫌われるということさえわからない。
またこの時期、よく仲間はずれや、いじめが問題になる。決して仲間はずれや、いじめを肯定するわけではないが、そういうことを経験することによって、子どもは、その一方で、集団の中における、ルールを学ぶ。
親としてはつらいところだが、しかし目を閉じるところは、しっかりと閉じないと、かえって子どもを、ダメにしてしまうことも、あるということ。
さらに最近では、テレビゲームや、パソコンゲームの発達とともに、仲間と遊ばない子どもが、ふえている。これについてはまた別のところで書くことにして、つまり、ギャング集団をとおして、子どもは、おとなになるための社会性の基礎を身につけるということ。
それについて以前、書いたのが、つぎの原稿である。
遊びが子どもの仕事
ギャング集団
養殖される子どもたち
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。