適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「コンピテンス(相互交渉能力)」について はやし浩司先生の子育て随筆
子どもというのは、何かの作業が終わったようなとき、「センセー!」と言って、それを、先生のところにもってくる。
こうした働きかけの原動力となる能力を、心理学の世界では、「コンピテンス」(W・H・ホワイト)と呼ぶ。日本語では、「相互交渉能力」という。
つまり子どもは、そういう形で、自分を主張し、自分の存在感を、まわりに訴えようとする。環境とのかかわりと求めようとする。が、それだけではない。
子どもが「センセー!」と言ってもってきたとき、たとえば先生が、それを無視したりすると、その子どもは、とたんにやる気をなくす。
あまりむずかしい心理ではないので、「なるほど」と思う人も多いかと思う。つまり子どもは、先生に認めてもらうことイコール、まわりの環境に働きかけることで、自ら、やる気を引き出す。「環境を動かした」という自信が、つぎの行動の原動力となる。こうした達成感を、「自己効力感」という。
もう少しわかりやすい例で説明してみよう。
最近、私の友人が、電子マガジンの発行をやめてしまった。読者の数が、150人前後になったところで、伸びが止まってしまったからだという。「書いても、書いても、読者がふえないと知ったとき、急に、やる気をなくした」と。
その友人は、マガジンを発行することで、まわりの環境に働きかけた。しかしその環境が、その友人を認めなかった。だからその友人は、やる気をなくした。
では、子どものやる気を引き出すには、どうすればよいか。もう答は、出たようなもの。子どもが、まわりの環境に何らかの働きかけをしてきたら、すかさず、それにていねいに答えてあげる。
たとえば子どもが、何か新しいことを発見したり、何か新しいことができるようになったようなときなど。「ママ〜、見てエ〜!」と言ってきたようなときは、それにていねいに応じてあげる。「あら、じょうずにできるようになったわね」と。
教室では、生徒が、「センセ〜!」と言ってきたようなときが、それにあたる。
そのとき大切なことは、先生が、「これはすごいね」と前向きにほめてやること。たったそれだけのことだが、そうした行為が、子どもからやる気を引き出す。
そしてさらに、W・H・ホワイトによれば、こうしたコンピテンスは、実は、赤ちゃんにもあるという。赤ちゃんは手足をバタつかせ、懸命になって親に向かって、何かを訴えようとすることがある。そういうとき、赤ちゃんのそうした行動に、親が、適切に反応してあげると、子どもは、(やる気のある子ども)になる、と。
決して、むずかしいことではない。
『求めてきたとき、訴えてきたときが、与えどき』と覚えておくとよい。
親側から、あえて、つまりわざとらしく、ほめたりする必要はない。子どもが、「見て!」「見て!」と言ってきたようなとき。赤ちゃんで言えば、少しぐずって、おっぱいを求めるようなしぐさを見せたようなとき、すかさず、親がそれに答えてあげる。
言うまでもなく、子どもが、「見て!」「見て!」ともってきたとき、「何だ、これ!」「もっと、じょうずにできるでしょ」式の、マイナスの反応を示すことは、タブー中のタブー。絶対にしてはいけない。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。