適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「養護学級(特殊学級)」について はやし浩司先生の子育て随筆
数日前、ある小学校の校長と、学習障害児の話をした。
三〇年ほど前の昔は、知能テストなどで、IQが、70前後の子どもを、境界線児などと言った。が、今は、そういう言い方はしない。「学習障害児」(LD児)と呼ぶ。
学習障害児というのは、脳のどこかに機能的、機質的な問題のある子どもをいう。前にも書いたが、全体としてそうなっている子どもも、いないわけではない。しかしたいていは、ある一部がそうなっているケースが多い。
読解力はふつうだが、数の概念だけが、まったくない、など。
現在、このS件では、ふだんのテスト結果などを参考に、ふだんの生活ぶりを観察しながら、それとなく診断するという方法がとられている。が、もちろん診断基準が、あるわけではない。(一部のモデル校では、知能テストをしたり、経過観察をしながら、判断するという方法が、とられている。)
で、そういう子どもと判断されたときは、親に、養護学級(特殊学級)への、入級を勧める。しかしこれは強制ではない。あくまでも、親の判断にゆだねられる。
が、ここで最大の問題にぶつかる。
ほとんどのばあい、この段階で、親が猛烈に、それに反対する。狂乱状態になる親もいる。学校側としても、親の「入級願い」(あくまでも親のほうが、「願う」という形をとる)がないかぎり、行動できない。
この「入級願い」が、その校長と、話題になった。
校長「本来なら、学校独自の判断だけで、それができるといいのですが……。実際には、一年の終わりとか、二年の終わりに、様子をみて、親を説得します」
私「日本では、簡単には進まないでしょうね」
校長「集団から、はずれるということが、親にとっては脅威なのですね。それはわかりますが、一日中、ボーッと無表情のままでは、子どもがかわいそうです」
私「思考が停止したような状態になりますからね」
校長「そうですね。考えようとする前に、自らをカラの中に押しこんでしまいますから……」
私「で、そういうとき、親には何と言うのですか?」
校長「まず、養護学級を、見学してもらいます。つぎに大切なのは、子どもの笑顔です。それを説明します」
私「このタイプの子どもは、思い切って、学年をさげるという方法もあるのですが……」
校長「そうですね。自分でも理解できる授業内容だと、突然、表情も明るくなります」
私「しかし学年をさげるというのも、日本では、現実的では、ありませんね」
校長「だから、親を説得するしかないです。養護学級を見学してもらいます。みんなが楽しそうにしているのを見ると、親も納得します。大切なのは、子どもの笑顔ですから」と。
最後に校長が、「大切なのは、子どもの笑顔ですから」と言ったのが、印象に残った。
私も長年近く子どもたちと接してきたが、すべての結論は、ここに行きつく。教育においては、すべてが、子どもの笑顔で始まり、すべてが、子どもの笑顔で終わる。それ以外に、何も、ない。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。