ポジティブな指導法

 

適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。


 ・愛情が第一を忘れない
 ・他の子どもと比較をしない
 ・完璧主義にならない
 ・結果を期待しすぎない
 ・ゆったりとした心を持つ 

子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。

「ポジティブな指導法」について        はやし浩司先生の子育て随筆

 はやし浩司先生 この浜松市では、黄信号は、「行け、行け信号」と言う。黄信号で、車を止める人は、絶対にいない。赤信号になっても、隣の車が動き出さなければ、「行け、行け信号」。へたに黄信号で車を止めようものなら、うしろからブーブーと、クラクションを鳴らされる。あるいはうしろの車に追い越される。

 そのため、この静岡県は、交通事故率ナンバーワン。その中でも、この浜松市は、ナンバーワン。(どういうところを見て、ナンバーワンというかについては、議論もある。これについては、数か月前のマガジンに書いた。)

 で、その取り締まり風景を、先日、テレビで報道していた。

警察官、赤信号で突っ走ってきたドライバーを止めながら、「何かのことで、急いでいたんだねえ。時間は、貴重だからねえ。しかしね、あぶないよなあ。信号を無視しちゃあ……。黄色で止まれなかったのかねえ」と。と。

 それに答えて、ドライバーが、「すみません。へたに止まると、うしろの車に追突されるもんで……」と。

 なかなかうまい言い方である。いや、警察官の言い方が、である。恐らく、そういうマニュアルか何かが用意してあるのだろう。しかもそのマニュアルは、一級の心理学者によって編集されているにちがいない。警察官は、多分、そのマニュアルにそって、そう言った。

 同じようなことだが、子どもを指導するときにも、ネガティブな言い方と、ポジティブな言い方がある。

 たとえば子どもが学校のテストで、悪い点を取ってきたとする。子どもの答案用紙を見ると、ミスだらけ。

 こういうとき、「何よ、この点数は! こんなことでどうするの!」と、子どもを叱るのは、ネガティブな言い方ということになる。

 一方、「きっと、調子が悪かったんだね。でも、このむずかしい問題ができているから、点数はよくなくても、あなたはよくがんばったね」と、子どもを諭(さと)すのは、ポジティブな言い方ということになる。

 あるいは点数を見て、「さっさと勉強しなさい。今度の日曜日は、サッカーに行ってはだめ」というのは、ネガティブな言い方ということになる。

 反対に、「そうね、お母さんといっしょに、この問題を解いてみようか。買い物に行ったついでに、いっしょに、本でも買ってこようか」というのが、ポジティブな言い方ということになる。

 このネガティブな言い方は、子どもを否定し、かえって伸びる芽をつんでしまう。が、ポジティブな言い方は、相手を前向きに、伸ばす力がある。「親は自分のために、そう言ってくれるのだ」と思うからである。

もっとわかりやすく言えば、ポジティブな言い方をすることによって、子どもは心を開く。開くから、親は、子どもの心の中に、入ることができる。

この「相手の心の中に入る」ということは、とても重要である。説得力が、当然のことながら、まるでちがってくる。

 話はそれるが、私が、南米のある国へ行ったときのこと。向こうの日系人は、私が日本人と知ると、どの人も、親しげに話しかけてくる。私も、つい心を許して、あれこれ甘えてしまう。

 これは「同胞である」という意識が、たがいの心を開いたために起こる現象である。

 一方、子どもを病院へつれていくと、たいていの子どもは、その場でかたくなってしまう。そして一度こういう状態になると、あれこれ説得しても、ムダ。「何かをされるのではないか」と、子どもは、すべてを、疑いの目で見るようになってしまう。

 これは「こわい」という思いが、子どもの心を閉ざしたために起こる現象である。

 そこで相手の心を溶かすためには、一度、相手の心の中に、自分が入るとよい。その一つの方法が、ここでいうポジティブな言い方ということになる。

 私もその時間がくると、生徒たちに、こう言う。「あれ、もうこんな時間か。もう、そろそろ勉強を、始めようか。どうだ、調子は?」と。

 このとき、「さあ、時間だ。サッサと座れ」と言えば、とたんに雰囲気が悪くなる。子どもだって、気分を悪くする。

 その点、先の警察官の言い方は、うまい。実にうまい。参考になる。この段階で、警察官が、「バカヤロー。信号は赤だろ。お前にはそれが見えないのか!」と言えば、相手のドライバーは、態度を硬化させてしまう。

 そうなれば、たがいの間は、険悪なものになる。警察官にしても、つぎからつぎへと、こうしたドラーバーと接しなければならない。いちいちカッカしていては、心がもたない。仕事そのものが成りたたなくなる。

 そこで警察官は、一度、相手の心の中に入る。「何か、急いでいたんだね」と。

 そう言われたドライバーは、その瞬間に、機先をそがれてしまう。構えていた心が、とたんに溶かされてしまう。こうなると、あとは、警察官の言うがまま。気持ちよくとまではいかないかもしれないが、おとなしく、罰金を払うことになる。(交差点で信号無視をすると、6000円の罰金に、原典。念のため。)

 で、これで浜松市の交通事故が減るとは思わない。何しろ、これは浜松市民のいわば、「質」のようなもの。長い時間をかけてできた「質」。それだけに、簡単にはなおらない。警察官の努力だけでは、どうにもならないのでは……?

 どうか浜松市の人も、たまに浜松市へ来る人も、交通事故には、くれぐれも、気をつけてほしい。ついでに、子どもを指導するときは、ポジティブな言い方にしたらよい。取り締まりをしている警察官を、テレビで見ていたとき、ふと、そんなことを考えた。



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情報・画像の出展:はやし浩司先生

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【はやし浩司先生のプロフィール】

はやし浩司先生1947年岐阜県生まれ。

金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。

独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。

現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。

●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。

うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。

「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。

●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。

●現在は、インターネットを中心に活動中。

メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、

電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。

「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。

(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)

過去の代表的な著書

子育て格言ママ100賢1子育て格言ママ100賢子育て格言ママ100賢子育てはじめの一歩

子どもの心・100の育て方目で見る漢方診断クレヨンしんちゃん 野原家の子育て論子育てストレスが子どもをつぶす

ドラえもーん・野比家の子育て論 子育て最前線のあなたへ受験に克つ子育て法ポケモン・カルト―あなたの子どもがあぶない!

・・・などなど30冊余り出版されています。

はやし浩司先生のHP・ブログ

はやし浩司のホームページ はやし浩司先生のメインサイトです。
子育て・幼児教育など、先生が実践されてきた内容が凝縮されています。
きっと先生の優れた教育感、人間味溢れる魅力をお分かりいただけると思います。
はやし浩司の書籍 先生が執筆をした過去の原稿をダウンロードして読めます。

読者の相談ページや進学問題、パパママの子育て診断ページもあります。

最前線の子育て論byはやし浩司(メルマガ版) メルマガ版「最前線の子育て論byはやし浩司」は2007年10月、
60000誌の中で、TOP-ONEに評価され、2008年のメルマガオブザイヤーを受賞しています。

先生の素晴らしい教育・子育て論を見てみて下さい。

当サイトでも掲載させていただいている記事が盛りだくさんです。
最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe−Blog) 最前線の育児論のブログです。
子育てや教育について様々な視点・角度で執筆されています。

最前線の子育て論byはやし浩司 (ヤフーブログ) 最前線の子育て論(ヤフーブログ版)です。
教育に対して様々な情報を掲載しています。
主に先生の哲学者的な内容を見ることができます。
しかし、先生は博識ですね〜。
お孫様のかわいい画像と、日記、教育論を掲載しています。

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