適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「ピーターパン・シンドローム」について はやし浩司先生の子育て随筆
ピーターパン症候群という言葉がある。日本では、「ピーターパン・シンドローム」ともいう。いわゆる(おとなになりきれない、おとな子ども)のことをいう。
この言葉は、シカゴの心理学・精神科学者であるダン・カイリーが書いた「ピーターパン・シンドローム」から生まれた。もともとこの本は、おとなになりきれない恋人や息子、それに夫のことで悩む女性たちのための、指導書として書かれた。
症状としては、無責任、自信喪失、感情を外に出さない、無関心、自己中心的、無頓着などがあげられる。体はおとなになっているが、社会的責任感が欠落し、自分勝手で、わがまま。就職して働いていても、給料のほとんどは、自分のために使ってしまう。
これに似た症状をもつ若者に、「モラトリアム人間」と呼ばれるタイプの若者がいる。さらに親への依存性がとくに強い若者を、「パラサイト人間」と呼ぶこともある。「パラサイト」というのは、「寄生」という意味。
さらに最近の傾向としては、おもしろいことに、どのタイプであれ、居なおり型人間がふえているということ。ピーターパンてきであろうが、モラトリアム型であろうが、はたまたパラサイト型であろうが、「それでいい」と、居なおって生きる若者たちである。
つまりそれだけこのタイプの若者がふえたということ。そしてむしろ、そういう若者が、(ふつうのおとな?)になりつつあることが、その背景にある。
概して言えば、日本の社会そのものが、ピーターパン・シンドロームの中にあるのかもしれない。
国際的に見れば、日本(=日本人)は、世界に対して、無責任、自信喪失、意見を言わない(=感情を外に出さない)、無関心、自己中心的、無頓着。
それはともかく、ピーターパン人間は、親のスネをかじって生きる。親に対して、無意識であるにせよ、おおきなわだかまり(固着)をもっていることが多い。このわだかまりが、親への経済的復讐となって表現される。
親の財産を食いつぶす。親の家計を圧迫する。親の生活をかき乱す。そしてそれが結果として、たとえば(給料をもらっても、一円も、家計には入れない)という症状になって現れる。
このタイプの子どもは、乳幼児期における基本的信頼関係の構築に失敗した子どもとみる。親子、とくに母子の関係において、たがいに(さらけ出し)と(受け入れ)が、うまくできなかったことが原因で、そうなったと考えてよい。そのため子どもは、親の前では、いつも仮面をかぶるようになる。ある父親は、こう言った。「あいつは、子どものときから、何を考えているか、よくわかりませんでした」と。
そのため親は、子どもに対して、過干渉、過関心になりやすい。こうした一方的な育児姿勢が、子どもの症状をさらに悪化させる。
子どもの側にすれば、「オレを、こんな人間にしたのは、テメエだろう!」ということになる。もっとも、それを声に出して言うようであれば、まだ症状も軽い。このタイプの子どもは、そうした感情表現が、うまくできない。そのため内へ内へと、こもってしまう。親から見れば、いわゆる(何を考えているかわからない子ども)といった、感じになる。ダン・カイリーも、「感情を外に表に出さない」ことを、大きな特徴の一つとして、あげている。
こうした傾向は、中学生、高校生くらいのときから、少しずつ現れてくる。生活態度がだらしなくなったり、未来への展望をもたなくなったりする。一見、親に対して従順なのだが、その多くは仮面。自分勝手で、わがまま。それに自己中心的。友人との関係も希薄で、友情も長つづきしない。
しかしこの段階では、すでに手遅れとなっているケースが、多い。親自身にその自覚がないばかりか、かりにあっても、それほど深刻に考えない。が、それ以上に、この問題は、家庭という子どもを包む環境に起因している。親子関係もそれに含まれるが、その家庭のあり方を変えるのは、さらにむずかしい。
現在、このタイプの若者が、本当に多い。全体としてみても、うち何割かがそうではないかと思えるほど、多い。そしてこのタイプの若者が、それなりにおとなになり、そして結婚し、親になっている。
問題は、そういう若者(圧倒的に男性が多い)と結婚した、女性たちである。ダン・カイリーも、そういう女性たちのために、その本を書いた。
そこでクエスチョン。
もしあなたの息子や、恋人や、あるいは夫が、そのピーターパン型人間だったら、どうするか?
親のスネをかじるだけ。かじっても、かじっているという意識さえない。それを当然のように考えている。そしてここにも書いたように、無責任、自信喪失、感情を外に出さない、無関心、自己中心的、無頓着。
答は一つ。あきらめるしかない。
この問題は、本当に「根」が深い。あなたが少しくらいがんばったところで、どうにもならない。そこであなたがとるべき方法は、一つ。
相手に合わせて、つまり、そういう(性質)とあきらめて、対処するしかない。その上で、あなたなりの生活を、つくりあげるしかない。しかしかろうじてだが、一つだけ、方法がないわけではない。
その若者自身が、自分が、そういう人間であることに気づくことである。しかしこのばあいでも、たいていの若者は、それを指摘しても、「自分はちがう」と否定してしまう。脳のCPU(中央演算装置)の問題だから、それに気づかせるのは、容易ではない。
が、もしそれに気づけば、あとは時間が解決してくれる。静かに時間を待てばよい。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。