適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「不況と人間性」について はやし浩司先生の子育て随筆
不況がこわいのは、人間性を破壊すること。あるいはそれまで隠れていた邪悪な人間性が、外に出てくること。
私が学生時代に聞いた講義の中で、印象に残っているのに、こんなのがあった。
「貧困は、公害の一つだ」と。
教授の名前は忘れた。たしかイギリスから来ていた教授だと思う。「イギリス人らしい、ストレートな意見だ」と、そのときは、そう思った。
貧困がつづくと、心がむしばまれる。そしてそれが集合すると、「公害になる」と。
先日、姉に電話をすると、姉がこんな話をしてくれた。姉の近くに、昔からの小さな町がある。その町の一つの通りが、商店街になっている。しかしこのところ、その商店街が、軒並み、店を閉め始めたという。近くに、大型スーパーができたためだという。
「みんな、生活ができなくなると、夫婦仲まで、おかしくなってしまうのね。夫婦喧嘩の絶えない家もあるのよ」と。
つまり「店を閉める」までにいたる過程の中で、あれこれ騒動が起きるという。その騒動が、夫婦関係まで、おかしくするという。
このことは、たとえば離婚問題と似ている。「離婚」そのものは、子どもの心に、ほとんど影響を与えない。離婚にいたる、夫婦の間の騒動が、子どもの心に影響を与える。だから離婚するにしても、そういう騒動を子どもに見せることなく、サラッと離婚するのがよい……。
私「収入が減ると、家庭の中が、ギクシャクしてくるからね」
姉「生活のレベルをさげるのは、簡単なことではないから。一度、ぜいたくを覚えると、さげることができなくなるのね」
私「そのさげるとき、いろいろと問題が起きてくる」
姉「気分も、むしゃくしゃするからね」
私「それが騒動になる?」
姉「そうね」
しかしこうした騒動が一時的なものなら、夫婦は、それを乗り越えることができる。個人差もあるのだろうが、それが長期に、しかもジワジワとつづくと、人間性そのものまで、ゆがめる。それこそ悪いことでも、平気でするようになる。人をだますようなことでも、平気でするようになる。
私「ぼくの知っている人でも、親類や、友人までだました人がいるんだよ」
姉「ふつうなら、親類や、友人は、だまさないのだけれどね」
私「そう。しかし人間性が狂ってくると、それもわからなくなるみたい」
姉「貧乏って、こわいね」
私「いや、貧乏が原因じゃあ、ないと思う。それまでの人間性の問題だと思う」
平和で生活も順調なときは、そうではない。しかしその平和が乱されたりすると、自分の中の邪悪な部分が、外に出てくる。貧乏は、その引き金にすぎない。
たとえば今、ここに、裕福で、何ひとつ不自由のない生活をしている人がいる。そういう人が、柔和な笑みを浮かべて、「お金では、幸福は買えません。大切なのは、心の豊かさです」と話したとする。
しかしそれは、仮面。金持ちの仮面。その人の(心の豊かさ)が、本当にためされるのは、その人が、貧乏のどん底に叩き落されたときだ。そのときでも、その人が同じセリフを口にしたとしたら、その人は、すばらしい人だ。
今、この日本では、多くの人が、不況の嵐の中で、あえいでいる。苦しんでいる。そしてそれは、ただみなが、貧乏になったというだけではない。貧乏になることで、心がむしばまれ、そして人間性まで、破壊されつつある。不況の本当のこわさは、そこにある。
私「貧乏になるとき、邪悪な部分が、少しずつ顔を出し始める。あとは、それとどこまで戦うかだと思う」
姉「なるほど。戦えない人もいるわけね」
私「その戦いに敗れた人は、一挙に総崩れとなり、そのまま邪悪な人になってしまう」と。
そんなわけで、その人の人間性というのは、どん底に落とされたとき、はじめて試される。そのときでも、すばらしい人間性を保つことができれば、その人は、本当にすばらしい人ということになる。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。