適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「子どもの受験勉強」について はやし浩司先生の子育て随筆
この日本では、受験勉強を、避けて通ることはできない。現実に、受験競争は、そこにある。だから子どもの受験勉強も、そこにある。
で、その受験勉強を、三〇年以上にわたって私は、指導してきた。私自身は、「受験」を意識したことはあまりないが、しかし親たちは、当然のことながら、受験を考えて、子どもを私に任す。
で、概して言えば、その受験で、成功するグループと、そうでないグループがあるのがわかる。
成功するグループの親は、どっしりと落ちついている。子ども自身がもつ、大きな波をしっかりととらえ、さざ波程度では、動揺しない。
一方、失敗するグループの親は、そのつど右往左往して、つかみどころがない。大きな波を見ることができず、そのつどさざ波程度で、動揺する。
理由がある。
子どもを伸ばすという意味は、二つある。一つは、伸ばすこと。これは当然だが、もう一つは、つぶすようなことは、しないということ。わかりやすく言えば、親自身が、子どもの伸びる芽をつんでしまうことがある。それをしないことを、いう。
さざ波で動揺する親というのは、動揺しながら、子どもの伸びる芽をつんでしまう。いろいろな例がある。
よくあるケースは、子どもが受験期にさしかかると、超難解な参考書や、ワークブックをどっさりと買いこんで、子どもに与えること。しかも、問題量そのものが多い。
こういう参考書なり、ワークブックをかかえたら最後、子どもの勉強は、にっちもさっちもいかなくなる。あくまでも子どもの能力に合わせたものを選ぶのがよい。……というより、最初は、一レベルも二レベルも、子どもの能力より下にあるものを選ぶ。
ほかに、無理、強制、条件、比較がある。これを「学習の動機づけの四悪」と、私は呼んでいる。これについては、たびたび書いてきたので、ここでは省略する。
で、「さざ波」というのは、そのつど、子どもの周囲で起こる、変化のことをいう。少し成績があがったりすると、ぬか喜びし、さがると、取り越し苦労をする。あるいは、ささいな問題を、ことさら大げさに取りあげたり、騒いだりする。子どもとの間で、騒動を繰
りかえす。「勉強しろ!」「うるさい!」と。
こうした親の動揺は、子どもの学習には、まさに百害あって一利なし。子どもの成績というのは、半年単位。短くても、三か月単位でみる。一か月や二か月、勉強したくらいで成果など、出るはずもない。
……という否定的な意見はさておき、では、親として、どう構えたらよいのかということになる。
一つは、子どもの中に、大きな流れを感じたら、その流れに、身を任すということ。あなたが、ごくふつうの人(失礼!)であるように、あなたの子どもも、また、ごくふつうの子ども(失礼!)。
「うちの子は、やればできるはず」と思ったら、「やってここまで」と思いなおす。「どうしてうちの子は、できないの」と思ったら、「うちの子は、うちの子なりに、よくがんばっている」と思いなおす。
こうして大きな流れの中に、子どももおき、あとは、一に様子をみ、二に様子をみる。さざ波には、動揺しない。万事、おおらかにかまえて、子どもをワキから支える。
私も、子どもと同じ数だけの、親たちを見てきた。そして今も、多くの親たちと、毎日のように接している。で、結論として言えることは、子どもを伸ばすのも親なら、子どもの伸びる芽を摘んでしまうのも、親だということ。だから子どもを伸ばすことを考えたら、まず、親自身が、子どもの伸びる芽を摘んでしまっていないか、それを謙虚に反省する。
最後に一言。ここで「成功」「失敗」という言葉を使ったが、これは私の本意ではない。
こういう言葉は、こうして書くだけでも、不愉快である。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。