適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「愚人と賢人」について はやし浩司先生の子育て随筆
ずいぶんと昔だが、私に面と向かって、こう言った女の子(中三)がいた。
「あんた(=私のこと)も、くだらねエ仕事、してるねエ。私やア、おとなになったら、あんたより、もう少し、マシな仕事をすっからア」と。
私は、その女の子を見ながら、怒るよりも先に、「なるほどなア」と思った。私のしている仕事は、その程度だということは、自分でも、よくわかっている。しかし私は、その女の子の前では、本当の私の姿を見せていない。見せる必要も、ない。
まただからといって、その女の子を、責めているのでもない。最近の若い人たちは、多かれ少なかれ、みな、そうだ。何も、彼女が、特別というわけでもない。この時期の子どもは、生意気になることで、自分を主張しようとする。
それに、多分、今でも、子どもたちから見る私は、バカで、ドジで、どこかダサイ、初老の男なのだろう。私も、あえて子どもたちの前で、そういう男を演じてみせている。
で、私は、一つの事実に気がついた。
愚人には、賢人がわからない。どの人が賢人であるか、その区別さえできない、と。
たとえばこんなことがある。
幼児クラスで、私が、わざと、「3+4」の問題を、まちがえてみせたとする。すると、子どもたちは、「先生、ちがう!」と騒ぎだす。常識で考えれば、(あくまでもおとなの常識でだが……)、私という人間が、そんな簡単な足し算で、まちがえるはずはない。
しかし子どもたちには、それがわからない。中には、本気で怒ってしまう子どもさえ、いる。「あんた、本当に、先生!」と。
しかし賢人には、愚人がよくわかる。あたかも手に取るかのように、よくわかる。何をどう考え、どう思っているか。そしてその先、どういう結論をだすかまで、わかる。この足し算のケースでいうなら、子どもが怒りだすところまで、わかる。
つまり冒頭にあげた女の子は、そのレベルの子どもということになる。(私が賢人であるかという話は、別にして……。)少なくとも、私は、その女の子よりは、賢人である。だから、「なるほどなア」と思った。またそう思うことで、自分の心を、処理した。
で、私は、そのあと、その女の子と、こんな会話をした。
私「君は、将来、どんな仕事をするの?」
女「まあね、いろいろ」
私「たとえば……」
女「まあね。でもね、先生、私も将来、何もすることがなくなったら、塾の講師でもすっから。そのときは、先生、よろしくね」と。
つまりその女の子は、対、私との関係では、愚人ということになる。自分が愚人であるとさえ、気づいていない。(だから、愚人ということになるが……。)だから私が、どういう人間であるかさえ、わからない。理解もできない。
こうして私は、一つの結論を導いた。それが、つぎの一文である。
『愚人は、決して、自分を愚人と思わない。しかし賢人は、いつも自分を愚人と思う。
そして愚人からは、賢人がわからない。自分と同じ人間だと思う。が、賢人からは、愚人がよくわかる。これが愚人と賢人のちがいである』である。
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。