適切な幼児教育は後の人間形成において大変重要であると考えていますが注意していただきたいことがあります。
幼児教育は完璧な育児や教育を推奨するものではないということです。
・愛情が第一を忘れない
・他の子どもと比較をしない
・完璧主義にならない
・結果を期待しすぎない
・ゆったりとした心を持つ
子どもへの過剰な期待は親子共に大きなストレスになる危険性あります。
ゆったりと構え、少しくらい上手くいかなくても「まぁ、いっか。」に考えられることが幼児教育を続けられるポイントになります。
「愛」について はやし浩司先生の子育て随筆
昨夜、ワイフと、ふとんの中で、
こんな会話をした。
「愛にも、いろいろあるね」と。
たとえば溺愛ママと呼ばれる人の中には、、
自分の息子が初恋でもしたりすると、
半狂乱になる人がいる。
溺愛は、愛ではない。自分勝手で、
わがままな愛……。それはわかるが、
では、溺愛ママは、なぜ子どもを溺愛するのか?
そこでもう一度、愛について、
考えなおしてみる。
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以前、自分の息子が結婚した夜、「悔しい」「悔しい」と泣き明かした母親がいた。あるいは嫁いで出た娘に、ストーカー行為を繰りかえしていた母親がいた。その母親は、娘に、「お前をのろい殺してやる」と言っていた。
そしてこんなこともあった。
ある夏の日のことだった。一人の母親が、私のところに来て、こう言った。「息子が恋をしました。何としてもやめさせてほしい。今は、高校受験をひかえた大切なときですから」と。
相手の女性は、五、六歳年上の女性だという。本屋で店員をしていた。
で、私が「恋の問題だけは、私でも、どうにもなりません」と言うと、その母親は、バッグの中からその女性の写真を何枚か出し、こう泣き叫んだ。「こんな女ですよ!」「こんな女のどこがいいのですか!」と。
それはまさに嫉妬に狂う、女の姿だった!
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「愛」にも三種類、ある。本能的な愛、代償的愛、それに真の愛である。
さらに、心理学者のリーは、人間がもちうる恋愛感情を、つぎの六つに分けた。
(1)エロス……肉感的な愛。女性の乳房や、男性の男根に強い性欲を覚える。
(2)ストーゲイ……異性との友情的な愛。
(3)アガペ……絶対的な献身を誓う愛。命すらも捧げる愛。
(4)ルダス……遊びとしての愛。ゲーム感覚で、恋愛を楽しむ。
(5)マニア……愛がすべてになってしまう。はげしい嫉妬や恋慕をいだくことが多い。
(6)プラグマ……実利的な目的をもって、損得の計算をしながら、異性とつきあう愛。
これは異性間の恋愛感情だが、親子の間の愛も、同じように分類することができる。
(1)エロス……息子や娘を、異性として意識する。肉欲的な感情を、自分の子どもに覚える。
(2)ストーゲイ……自分の子どもと、友情関係をもつ。子どもというより、対等の人間として、子どもをみる。
(3)アガペ……子どものためなら、すべてを捧げる愛。命すらも惜しくないと感ずることが多い。
(4)ルダス……子育てをしながら、毎日、子どもと人生を楽しむといったふう。いっしょに料理をしたり、ドライブに行ったりする。
(5)マニア……子どもを自分の支配下におき、自分から離れていくのを許さない。
(6)プラグマ……家計を助ける。あるいは老後のめんどうをみてくれる存在として、子どもを位置づける。
これは私が思いつくまま考えた愛なので、正しくないかもしれない。しかしこうして親が子どもに感ずる愛を分類することによって、自分が子どもに対して、どんな愛をいだいているかを、知ることができる。
ふとんの中で、ワイフが、こう言った。
ワ「私は、息子たちに恋人ができたときでも、嫉妬しなかったわ」
私「あたりまえだ。しかしぼくたちに娘がいて、その娘に恋人ができたら、ぼくは、どうだっただろうね」
ワ「あなたのことだから、嫉妬したと思うわ」
私「そうだな……」
ワ「愛があるから、嫉妬するの?」
私「いろいろな愛があるからね。親の世界にも、代償的愛というのがある。いわば愛もどきの愛ということになる。自分の子どもを、自分の支配下において、自分の思いどおりにしたいという愛をいう。子どもの受験勉強に狂奔している親というのは、たいていこの種類の親と考えていい。代償的愛というのは、もともと身勝手なものだよ」
ワ「じゃあ、どういうのが、真の愛なのかしら?」
私「親子の愛というのは、実感しにくいものだよ。しかし子どもが、大きな病気になったり、事故にあったときなどに、それがわかる」
ワ「ふつうのときは?」
私「要するに、どこまで子どもを許し、どこまで子どもを忘れるか。その度量の深さこそが、愛の深さということになるよ」
ワ「じゃあ、私が、あなたに、『私にほかに好きな人ができました。離婚してください』と言ったら、どうなるのかしら?」
私「『お前の幸福のためなら、ぼくは、引きさがるよ』というのが、真の愛ということになるのかな。ぼくには、できないけど……」
ワ「そりゃあ、そうでしょう。そうすると、夫婦の愛と、親子の愛は、ちがうのかしら?」
私「ぼくの印象では、人間の脳は、それほど器用にできていないと思う。だから愛を使い分けることはできないはず。同じと考えていいと思う」
ワ「じゃあ、夫婦の間でも、溺愛夫婦というのが、いるのかしら?」
私「いると思うよ。たがいにベタベタの夫婦がね」
ワ「でも、そういう夫婦は、真に愛しあっていることにはならないわね」
私「その可能性は、高い。たがいにたがいの心のすき間を埋めるために、愛しあっているだけかもしれない」
ワ「そういう夫婦のときは、どちらか一方が、不倫でもしたら、たいへんなことになるわね」
私「そうかもね……」と。
実のところ、私は、本当にワイフを愛しているかどうかということになると、あまり自信がない。だからときどき、ワイフにこう聞くときがある。
「お前は、ぼくのために犠牲になっているだけではないのか?」「無理をするなよ」と。するとワイフは、いつもこう答える。「私は、家族のみんなが、それぞれ幸せなら、それでいいの」と。
いつかそういうワイフを見て、二男が、こう言った。「ママの生き方はすばらしい」と。しかし私には、そういう犠牲心というのは、あまりない。リーの分類法によれば、私がもっている愛は、マニア(嫉妬しやすい愛)と、プラグマ(実利的な愛)を合わせたようなものかもしれない。
日本的に言えば、独占欲の強い、自分勝手な愛ということになる。
そこで育児論。
本能的な愛については、さておき、ほとんどの親は、代償的愛をもって、真の愛と誤解している。つまりは、薄っぺらい愛なのだが、問題は、いつ、その「薄っぺらさ」に、気がつくかということ。
自分の息子が結婚した夜、「悔しい」「悔しい」と泣き明かした母親。あるいは嫁いで出た娘に、ストーカー行為を繰りかえしていた母親。
こうした母親は、そういう意味では、実に薄っぺらい。しかしこうした母親にかぎって、「私は息子を愛している」「娘を愛している」と公言して、はばからない。
あのマザーテレサは、こう書いている。
●We can do no great things; only small things with great love.
(偉大なことなど、できませんよ。ただ偉大な愛をもって、小さなことができるだけ。)
●I have found the paradox, that if you love until it hurts, there can be no more hurt, only more love.
(それがあなたをキズつけるまで、人を愛するとね、もう痛みはなくなるものよ。ただより深い愛が残るだけ。皮肉なパラドックスね。)
恋人であるにせよ、夫婦であるにせよ、そして親子であるにせよ、真の愛というのは、そういうものかもしれない。
子どもの受験勉強で、カリカリしているお父さん、お母さん。少しだけ立ち止まって、今、本当にあなたは、自分の息子や娘を、愛しているのか、それを考えてみてほしい。
ひょっとしたら、あなたはただ、自分が感じている不安や心配を、息子や娘にぶつけているだけかもしれない。しかしそれは、もちろん、ここでいう真の愛ではない。
……ということで、「愛」についての話は、ここまで。問題は、あとは、それをどう実行していくかということ。それがむずかしい。ホント!
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【はやし浩司先生のプロフィール】
1947年岐阜県生まれ。
金沢大学法文学部法学科卒業。
日豪経済員会給費留学生として、オーストラリアメルボン大学ロースクール(法学院)研究生、三井物産社員、幼稚園教師を経て、浜松市にてBW(ブレイン・ワーク)教室、幼児研究所を設立。
独自の哲学・教育論をもとに幼児教育の実践を行っています。
現在は教育評論家として、ホームページやブログ、メルマガ、ユーチューブ等を利用しながら執筆活動に専念しています。
●著書に「子育て最前線のあなたへ」(中日新聞社)、「おかしな時代のまともな子育て論」(リヨン社・2002年3月発行)、「ドラえもん野比家の子育て論」(創芸社)など、30冊余り。
うち4冊は中国語にも翻訳出版されています。
「まなぶくん幼児教室」(学研)、「ハローワールド」(創刊企画・学研)などの無数の市販教材も手がけ、東洋医学、宗教論の著書も計8冊出版されています。
●教育評論家、現在浜松市伝馬町でBW教室主催。
●現在は、インターネットを中心に活動中。
メルマガ・オブ・ザ・イヤー受賞(08)、
電子マガジン読者数・計3000人(09)、ほか。
「BW公開教室」を、HP上にて、公開中。
(HPへは、「はやし浩司」で検索、「最前線の子育て論byはやし浩司」より。)
過去の代表的な著書
・・・などなど30冊余り出版されています。